活断層調査
−山の並びが意味することは?−


さて、ここでひとつの疑問がわきます。これほどはっきりした逆断層があるにもかかわらず、よくみると程なく尾根(河川の分水界)あ現れ、その先はまた平坦が地形、よくみると”山に向かいゆるやかに傾いているのです。そしてさらに上流で、奥羽山脈へと入っていくのです。
そこで、他の調査機関がおこなった反射法地震探査の解析結果などを用いて、地質の構造を単純化して考え、バランス断面法によって、このような平野→丘陵→台地→山脈という地形配列の形成過程を、右図のようにまとめました。
この結果、千屋断層の主断層部は、地下300m付近に低角度で伏在しており、地表付近で30度程度の角度を持って変位していること、地盤隆起の最前線は東北の大脊梁である奥羽山脈よりは、むしろ、現在の丘陵地前縁にシフトする傾向にあることなどがわかってきました。
ここでは、1896年(明治29年)8月31日に、マグニチュード 7.2 の陸羽地震(六郷地震)が発生し、その際は山側が約 3.5m隆起しました。そして、もうひとつ同じ方向で、平野の農地と山地の森林のコントラストの連続がみてとれます。
このような、 あたかもパーテーションで仕切っているかのような風景はどのようにして形成されたのか、当社では地質踏査を主とした調査を行いました。

地表に現れた逆断層
千屋断層の露頭 スケッチ・拡大版はこちら
ひとすじ縄ではいかない!? -バランス断面法による地形形成過程の考察-
1995(平成7)年に発生した兵庫県南部地震が発生して以降『活断層』という言葉が一躍脚光を浴びました。そして大地が直線的に切られ地震断層が出現し山地が隆起したこともまだ記憶に新しいところです。下に示した航空写真は、国の天然記念物にも指定されている秋田県仙北郡美郷町の千屋断層周辺の地形です。水田と森林が北北東から南南西に向かって一直線のコントラストを描いています。
風景を仕切るパーテーション

断層の両側から水平方向に圧縮応力がかかり、その力を逃がすために破断面ができ、片方が斜め下へ、もう一方が相手にのしかかるように斜め上へ動いて形成された断層を逆断層といいます。
東北地方は、奥羽山脈や出羽山脈などの山地と盆地が交互に繰り返す特徴的な地形が連なっていますが、 まさにその地形の形成過程のひとコマをこの調査で確認することができました。
右の写真とスケッチをみると、かつて川の水の中や周辺に堆積していた礫や砂・泥がそのまま上にのし上がっているのが見て取れます(上の空中写真の○印あたりです)。
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小坂他(2009):一関−石越撓曲および周辺地域の活構造,日本地球惑星科学連合発表資料S147-P010より
国土画像情報(カラー空中写真)cto-76-7_c11a_2〜4から作成
千屋断層周辺の空中写真
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