植生を用いた斜面防災
<根系層崩壊の主な特徴>
@ 表流水や地下水が集まりやすい地盤で生じる。
A 斜面傾斜が40°前後と急である。
B 表層は軟らかいが直下の岩盤は硬く、根系が入る間隔を
持つ割れ目が存在しない(Nd値は2から50以上に急変)。
C 崩壊の厚さが1m未満と薄い。
D 崩土内の木が立ったままで全体が高速で流下する。
−植物根系の斜面安定効果を生かした防災対策技術−
植生を用いた斜面安定化 - 「粘着力合算法」による効率的・経済的な地盤強度調査 -




災害に大きく関わる地盤強度を求めるためには、さまざまなせん断試験を行います。土砂災害に大きく関わる斜面表層では、一般に一面せん断試験を行います(右図参照)。
しかし、試験には多くの手順を要し供試体を現地から試験機に設置するまでに、体積や排水条件など、現場の実状を再現できないこともしばしばあります。
この点を解決するために、植生の斜面安定化効果を用いた地盤調査法を提唱しています。これは、根系層の持つ緊縛効果と杭効果による粘着力と地盤の粘着力を合計して(粘着力合算法)地盤強度を評価する方法で、以下の利点があります。
植生を指標とした崩壊の継続性
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室戸半島の海食崖崩壊の地盤特性
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根系層崩壊の特徴(@,A)
根系層崩壊の特徴(B,C,D)
室戸半島の海食崖における崩壊地の変遷
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植生指標崩壊度のイメージ
植生と斜面防災
わが国の斜面崩壊(山崩れ)の約90%は、崩壊深1m以下の表層崩壊です。表層崩壊が多く発生すると土石流となって大きな被害をもたらします。このような災害を軽減するためには、斜面崩壊による土砂生産を減らすことが重要です。当社では、植生の斜面安定機能を地盤工学的に評価する手法を提唱しています。
根系層崩壊は、一度発生すると根系の生育しにくい硬い岩盤が露出するため、斜面が安定化しにくくなります。
当社では数多くの調査結果から、崩壊地の植生の生育状況から今後の崩壊を予測する手法(植生指標崩壊度)に基づき、斜面安定化の提案を行っています。
一般に森林の植生は、 右の図に示したように山腹の土層に強じんな根系を網のように広げ(緊縛効果)、大小さまざまな杭を打ったように張り表土をつかんでいます(杭効果)。
豪雨や地震によって発生する外力が、 緊縛効果や杭効果を大きく上回ったときに、崩壊が発生します。実際に発生する表層崩壊の多くが、このような根系層崩壊です。
粘着力合算法による地盤強度の評価
●地盤強度を根系のスケッチや画像と、動的簡易貫入試験
から 簡単に、しかも安価に計算できる。
●植生の管理を適正に行うこと、斜面安定を計画が直結する。