土壌汚染調査 - 災害廃棄物の環境リスクとその低減 -

火山ガスで錆びた鉄製品は、災害廃棄物となる

稲垣秀輝・大久保拓郎・山中 稔(2000):火山災害の発生機構とその
 被害 から想定される災害廃棄物,生活と環境51(9),pp.27〜33

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有機物の腐食による地盤劣化

 大量の災害廃棄物が発生した事例として、2004年に発生した新潟県中越地震の事例があります。地震の発生後3年が経過したいまでもなお、放置されたままの災害廃棄物もあります。
 実際に一次集積場で表層地盤の汚染が発生した地域では、対策もなされていましたが、
管理されなくなった構造物や生活物品そのものが汚染の発生源となることが考えられます。
 このように、意図せずに放置された廃棄物はやがて土砂に埋まり
腐敗や有害ガスの発生や、地盤強度の低下など地盤の劣化にも繋がることが懸念されます。

大野博之・八村智明(2006):災害廃棄物概論(定義・分類と問題点),生活と環境51(9),pp.7〜13

火山噴火に伴う災害廃棄物の特徴
2004年新潟県中越地震にともなう災害廃棄物と環境リスク
災害廃棄物と環境リスク - 必需品が突然ごみへ -

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大野博之ほか(2006):災害廃棄物の環境リスクとその低減のための対応−平成16年新潟県中越地震の例-

 「災害廃棄物」とは耳慣れない言葉です。現行の廃棄物処理法では、廃棄物を産業廃棄物とそれ以外の一般廃棄物に分類していますが、まだ災害廃棄物という分類はありません。
 最近大規模な破壊を伴う地震災害や水害、火山災害が多く発生しています。
今まで生活必需品だったものが、突然使い道のない瓦礫と化し不要なものとなります。これを「災害廃棄物」と総称しています。
 災害廃棄物がもたらすリスクとして、火山灰や崩壊土砂の中などに
長期に埋没、放置された災害廃棄物は、複合的汚染の発生源、火災や有害なガス等の発生が懸念されます。しかし、この環境リスクに対する研究についてはあまり前例がありませんでした。私たちは豊富な現地調査結果を基に、これらの課題に対する早急な取り組みの方針等を提案しています。

○特徴的な噴出物
・大量のガス・火山灰 → 金属劣化と泥流堆積物
○森林の枯死とガリの発生
・土砂・倒木
○長期間の全島避難
・家屋・車・生活家電
・帰島前にインフラ復旧完了→土砂・倒木の処理済み
○離島
・自前の処理施設を持たない→広域援助の必要性

災害廃棄物の放置による環境面と防災面のリスクの概念図

立ち枯れした木は今後の災害廃棄物となる

 災害廃棄物は、火山噴火によってももたらされます。しかも火山灰が周辺地域にくまなく降下した場合、莫大な量の災害廃棄物が発生します。また、火山噴火災害には多様な災害要因があるとともに、各火山で特有の災害現象があります。火山噴火災害ではそれぞれの火山噴火の特徴をどのようにとらえ、どのような災害廃棄物が発生するかを考える必要があります。
  例えば火山灰による樹木の立ち枯れ等の直接的な災害廃棄物や、火山ガスは空気より重い SO2,H2S,CO2,HCl,などを主体としており
人的被害のほか長期的に災害廃棄物となる枯れ木や鉄製品の錆の原因となります
 現状では、火山噴火による人的防災を主体とした防災マップ作りや避難所や避難経路の確保が進んでいます。これらの準備がある程度進んだ時点で、物的被害は避けられないのであるから、今後は火山噴火時の災害廃棄物の処理方法について、あらかじめ対策を立てておくことが重要となります。

地震発生2年程度後でも埋没した状態の廃棄物

例)三宅島の2000年噴火における 災害廃棄物