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平成26年度 日本応用地質学会論文賞 受賞
鵜澤・稲垣・小坂が発表した研究論文「山梨県北部,風化花崗岩における初生地すべりにおける変位率と内部構造」が、平成26年度日本応用地質学会論文賞を受賞しました。論文は、「応用地質」第53巻第1号に掲載されています。

  

鵜沢貴文(うざわ たかふみ)

20083月日本大学文理学部地球システム科学科卒業.
同年株式会社環境地質入社.
201212月〜日本応用地質学会編集委員

 
稲垣秀輝(いながき ひでき)
株式会社環境地質 代表取締役社長
19793月東京大学理学系大学院地質学修士課程終了,
同年応用地質株式会社入社。
1991年株式会社環境地質創業。
技術士:総合技術監理・応用理学・建設・森林部門取得
2004年に博士(工学)取得。2014年〜京大防災研非常勤講師
  小坂 英輝(こさか ひでき)
19973月日本大学文理学部応用地学科卒業.
同年株式会社環境地質入社.

20123月東北大学大学院理学研究科地学専攻博士課程修了
博士(理学)取得

論 文 賞 を 受 賞 し て


 この度は,日本応用地質学会論文賞の栄誉を賜り,誠にありがとうございます。

 賞を頂きました論文は風化花崗岩について地すべりの変位率と内部構造をまとめたもので,このような初生的な地すべりの発生メカニズムを研究することにより,いろいろな地域の防災計画に役立つと考えております。

この論文は,筆者らの新第三紀の堆積軟岩,結晶片岩分布地域の地すべりの地形発達に続く,重力斜面変形に伴う変位率研究の3作目に当たり,これにより斜面の初生の地形発達史における地質ごとの違いについて,より理解が深まったと考えております。初生地すべりの変位率が地質ごとの岩盤限界ひずみにほぼ対応すること,地すべりの地形発達は変位率と斜面の傾斜との関係で分類できることがより明確になりました。

変位率は地すべりの変位量と長さで算出するため,特殊な機材や道具は必要なく,地形・地質調査の基本である地形判読や蟻のように歩き回る地質踏査で求めることが出来ます。このようなシンプルな地質調査から,地すべりの地形発達を区分できる手法は大変有用と考えております。このような手法に,バランス断面などの理学的の手法や工学的な地盤リスクの観点を付加していくことで,今後の更なる発展が期待できます。
 最後に、本論文は、第一著者の大学でも卒業論文のフィールドであり、在学中は日本大学の小坂先生や滑ツ境地質入社後は同社の地質技術者に現地調査のご協力や有益な意見交換を頂き、論文のアイディアや取りまとめなど、すべての面でおせわになりました。この場を借りて深く感謝の意を表し、お礼の言葉とさせていただきます